買い取りなど支援制度の問題点

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091222/1030643/?P=1

この中で地域間格差が自治体の補助金の出し方によって出るという表があります。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091222/1030643/?SS=expand-life&FD=84299363

最長5年とありますが、これは10年後からは買い取りがこれまでと同じ
48円での計算でしょう。しかし、予測されるのは買い取り単価を電力会
社が下げることです。1kwhを多分、回収済みとして電力価値の6円と
するでしょう。そうすると10年を超えるところは全てその回収期限が8
倍かかる事になります。

つまり、5年なら40年です。まあ、その時は、自家消費するように電気
を沢山自分の家で使うようになるでしょうね。省エネとは逆行するのです
けど・・・。全く、制度の設計で大きく変わるのです。市場が解決するな
んて呑気な話ではありません。市場はきちんとした制度設計をしなければ
機能しません。

さて、何でこんなことをと思われるかもしれませんが、実は昨日、大分ま
で行ってきたのです。下記の催しに参加する為に・・・

いや驚きました。200人収容の会場は一杯。確か事前申し込み必要だと
いうものでしたが・・・。私たちのNPOが去年9月にやった講演会は3
0人ほどが集まってくれただけでしたが・・・。ほぼ同内容のものをこの
2月の27日に宮崎で行いますので是非、お近くの方はご参加くださいね。

案内は http://trust.watsystems.net/miyazaki/20100327kouenkai.pdf
に案内を載せてあります。(今回は公金からの支出が無いので資料費代と
して300円下さいね)

まあ、国が説明してくれるということだからでしょうか・・・。まあ、若
者の姿は少なく、まあ、太陽光発電ってお金が無いと出来ないと皆さん思
い込んでいるからねぇ。で、結構目に付いたのは業者さんの姿でした。3
分の1ぐらいはそういう感じ。

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  おおいた太陽光発電セミナー
       ~太陽光発電の本格的普及に向けて~

 太陽光発電をはじめとする自然エネルギーの本格的普及期を迎えようとしています。今回、太陽光発電について制度、技術など様々な情報を提供することにより低炭素社会の実現を目指すことを目的に開催します。

 日 時 平成22年1月22日(金)13:00(12:00開場)~16:10
 場 所 大分文化会館2階小ホール(大分市荷揚町4-1)
 主 催 大分県地球温暖化防止活動推進センター
 共 催 大分県、大分県環境保全協議会
 後 援 九州経済産業局
 協 賛(予定)(財)大分県建築住宅センター NPO法人おおいた地球環境デザイン、
NPO法人再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本大分支部、
NPO法人九州・自然エネルギー推進ネットワーク他
 参加料   無料(参加希望者は下記により申込をお願いします)
12:00~   受付、開場
13:00開会
説 明 ①太陽光発電買い取り制度について
②太陽光発電導入補助制度などについて
③設置に関するアドバイス 展示・相談コーナーも設置
講演  市民と自然エネルギー
        講師  自然エネルギー推進市民フォーラム
理事長  都 筑  建  氏


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挨拶を大分嫌悪地球温暖化防止センターのセンター長とかがするのだけど、
これはあんちょこを棒読みしてるだけ、元お役人じゃない?

いや、驚きました。買い取り制度については、資源エネ庁本庁の新エネルギー
等電気利用対策室長の補佐 黒部さんというお若い方が来ていて実に、流暢
に説明されてました。

設置者にとって興味のあるところ。何年で元が取れるのか、については、1
0年程度と言う数字は実は新築で国と自治体の補助金を受けた場合と言う、
実にまれなケースであることがわかりました。(これは誇大広告だろ)

で、肝心の全量買い取りとかの議論がどういう状況にあるのかどうかについ
ては一切触れず。検討されていますの一言だけ。

さて、この10年と言う数字に関して別のお役人(九州経済産業局)に「10
年後にどうなるのか」って聞いたら、「後は、設置者と電力会社の関係です。
元に戻るんじゃないですか」だってさ。

私が見るに、そもそも10年程度で元が取れるわけも無く、既設の設置者は
それ以上の馬鹿高い発電原価のものを価格が下がってさらに安くなった発電
原価のものと同じ価格での販売となることについては何も答えられなかった。

で、名前も事前にアナウンスされている講師の先生のお話は、「私の原点は
長崎です。私も被爆者です」と言い「チェルノヴイリで他のものをと考えて
自然エネルギーに取り組みました」と実に立派なお話。

「普及量よりは普及率だ」というちょっと進んだ見方をして政府の方針を批
判して見せるが私が思うに「総発電量が一番大事」って事だと思う。

また、「数万円/kwhのピークカット効果がある」という説明をするのだ
けど、これが変な話で「ピーク時間帯のグリーンで価値がある」と説明して
いる。これでは聴衆をミスリードしてしまう。

正しくは「昼間のピーク時間帯の電力の価値は機器の設備稼働率などから計
算するとかなり高い。電力企業の揚水発電所などの稼働率から計算すると1
kwhが100円を超えている。この時間帯に供給されるということを考え
れば電力としての価値だけでも100円以上だ。48円の買い取り価格は低
すぎる」と言うべきだろう。

つまり、時間帯に関係なく量としての価値計算しかしないグリーン電力証書
の価値を特筆するグリーン価値という言葉を使うべきではない。

そして、これは何故か説明されなかったのだが、印刷され配布された資料に
載っているのが以下の内容だ。

緊急課題:どんな買い取り制度が望ましいか
(余剰か全量か、はたまた・・)

・普及量とスピード感(どちらも同じ・投機のリスク)
・省エネルギーの位置づけ(圧倒的に余剰)
・屋根貸しと環境貢献(圧倒的に余剰)
・電力自由化は何処まで(個人自由化未達)
・電力会社の選択(グリーンコンシューマーの視点)
・全員参加(国民負担)と利益者負担(余剰)
・合意の取り方
・透明性(ステークホルダーの開かれた協議)
・何故、エネルギー供給高度化法
・循環型低炭素社会の未来社会の具体的描き方

私とは意見が違う様なので何処が違うのかを以下に述べる

・普及量とスピード感(どちらも同じ・投機のリスク)

これは全量買い取りの方が優れていると言えるだろう。理由は、設備投資の
リスクなど費用回収の計算が楽だからだ。但し、価格が下がらないうちに大
量導入を行えば総額としての費用は高くなる。ここは十分に競争が働く環境
を整備することだ。

・省エネルギーの位置づけ(圧倒的に余剰)

これは売る価格が買う価格よりも高いという前提である。もし、売る価格が
買う価格よりも安ければ自家消費を増やそうという行動に出るだろう。だっ
て、馬鹿臭いじゃん。人の為に価値のある電気を一所懸命、節電しようなん
て・・・。過去に無料で設置されたと錯覚した人が馬鹿みたいに電気を使い
まくって電力会社から請求書が来てあわてて節電するようになったという笑
い話を聞いた。

そもそも省エネルギーは、太陽光発電を設置しようがしまいが何も考えずに
電気を使っている人が気をつけて使わないようにするのが一番なので今の電
力料金の体系を使えば使うほどに高くなる様に変えれば社会全体で省エネが
劇的に進むだろう。 太陽光発電を設置したものだけが頑張って省エネで他
人の何も考えていない人のための電気を売るというのはおかしな話なのだ。

こういう事を言い出したのは自分で設置などしていない阿呆ではないかと思
う。随分失礼な人たちだ。まあ、余剰のみ買い取られればいいという人たち
はそのままで構わないと思う。自家消費分は勝手に電力証書にして売れば良
いだけの話で、そこまでとやかく言う筋合いものではないので勝手にしても
らって良い。但し、グリーン電力証書にして環境価値を売るということは自
分が作ったグリーンな電力の環境価値を売っているのだから自分が消費する
電力は全てがダーティなブラウン電力になるということを認識すべきだろう。

・屋根貸しと環境貢献(圧倒的に余剰)

これは基本的には一義的には設備費用を負担した人に環境価値は帰属するで
しょうねぇ。まあ、社会とはそういうものです。 で、それを社会全体で支
える訳ですからそのれは社会全体のものとなるのだとは思いますが、敢えて、
その権利を先ず何処にと言うのなら費用を出した人で、その環境価値を売れ
るのは自分が使った以上に作れている場合と言うことかと思います。

既にRPSの考え方では私たちの生産した電力のうち、電力企業に販売され
た電力にくっついていた環境価値は電力に有無を言わせず持って行かれてし
まっていたわけで、残った自家消費分の価値すらグリーン電力証書で販売し
ましょうというビジネス自体が設置者に屋根貸し屋になることを進める行為
だったのです。

それを積極的にメンバーに勧めていたということは環境貢献を売り渡すこと
を進めていたと考えざるを得ません。これは余りに高い設備投資をして環境
負荷の無い電力を生産した人たちに対しては失礼な扱いではないかと思いま
す。

・電力自由化は何処まで(個人自由化未達)

これは完全に自由化するべきでしょう。それで、初めて選択の自由がありま
す。また、発電と配電と送電を分割することでそれぞれのコスト負担が明確
になるでしょう。そして、特に初発電分野での競争が働くことは必要なんだ
と思います

・電力会社の選択(グリーンコンシューマーの視点)

消費の場面で選択が出来ないなら生産の部門に直接関わるというのが発電所
を持つことです。消費するなら生産することです。そして、それが出来ない
訳ではない。そうした仕組みを作るべきなのです。屋根が無くても自分の分
の電気を作ることが出来る仕組みとして市民共同発で所は構想されました。

・全員参加(国民負担)と利益者負担(余剰)

全員参加といいますがそれは使った人が負担すべきなのです。受益者負担で
す。設置者はその資金を供給するのですから、負担があってはなりません。
環境の為に犠牲を他者に強いるというのは理不尽なことだと認識すべきなの
です。

・合意の取り方

徹底的に議論すべきだと思います。この大分の会議もそうした良い機会だっ
たでしょう。しかし、一方的に説明を聞かされるだけの講演会で、初めに質
問時間がありますというのも勝手に主催者の都合で無くなっていました。税
金を使って行われたものとしては実に市民不在の講演会でした。講演者が質
問を受け付けると言うべきだったでしょう。

・透明性(ステークホルダーの開かれた協議)

確かにステークホルダーとして立場は明らかにするべきです。どういう利益
不利益があってその発言がなされるのかは重要なことです。この発言者はグ
リーン電力証書の取り引きに関わっているということでそれによって利益が
あるのだということ。全量買取になった場合はその利益を失うことになると
いうことも言うべきでしょう。

・何故、エネルギー供給高度化法
・循環型低炭素社会の未来社会の具体的描き方

私たちに関わる便利な社会への歴史は実は地域の人々が結構濃密に経済的に
も支えあう社会でした。そこから人物金を抜いていった歴史にだと認識する
なら最後の残された資源をどう生かして自分たちの地域を補助金などで底上
げせずに自立する社会をどう作るかが課題です。その時に、どれほど、私た
ちの社会から富が抜かれているのかを認識することです。電力料金として地
域から出て行く金額を調べて見られるといいでしょう。それは半端な金額で
はないことに驚かれるでしょう。

地産地消型のを内需拡大型の地域経済経済 へ転換させるられれば雇用も富
も地域の中に生み出されお金へ地域の資源を顕在化させるツールとなるでしょ
う。

また、図で、余剰電力買取方式の説明で、自家消費分だけがグリーンな電力
で一回電力会社に買われた電力はブラウンな電力だと図示していますが、こ
れは、意味をなしません。電力は必要とされるときに作られねばなりません。


電力としての価値を分離することが出来て、環境価値を証書化することが可
能だという見地からするなら この図自体の考え方は出来ない様に思えるの
です。つまり、グリーンだのブラウンだのと言うときには環境価値は電力価
値とは分離できない物であるという前提でこの図は描かれているわけです。

まあ、何にしろRPSという考え方自体がかなり問題が大きいことを考えれ
ば、単なるCO2排出のみを環境価値としてカウントするのではなく、それ
ぞれが何処が由来の電力を使っているのかが明示される仕組みが必要かもし
れません。

こうした議論が再度きちんと行われるべきだと思います。

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