全量買い取り法案の価格を決める「調達価格等算定委員会 」の委員長の植田
氏のインタビュー記事が日経新聞に掲載されたこれを見て、孫正義氏らのメガ
ソーラーへと進出すると言った新規発電事業者はきっと胸をなでおろしている
だろう。

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再生エネ全量買い取り 7月施行 価格算定委の植田委員長に聞く

 再生可能エネルギーの全量買い取り制度が7月に施行されるのをにらみ、経済産業省は詳細を詰める作業に入った。電力会社が買い取る電気の価格などを検証する経産省・調達価格等算定委員会の植田和弘委員長(京大教授)に聞いた。

 ――買い取り価格はどう算出するのか。

 「買い取り価格は発電にかかる費用に発電事業者の利益を上乗せして決める。費用をどう見積もるかだけではなく、発電事業者の収益をどう設定するかも重要だ。収益を低く見積もれば投資資金が(再生エネルギーの発電事業に)回らない」

 「問題は収益見積もりが高くなると(消費者の)負担が増えることだ。とくに家庭の負担増には反発が強い。国に財政支援を求める声もあるが、負担軽減策まで委員会で決めるのは無理がある」

 ――買い取り期間は15~20年程度が軸になる。

 「買い取りの期間は設備の法定耐用年数などを基準に考えるのが基本だ。ただ技術革新の速さを考えれば、期間を短く設定し、その分、価格を高くすることも考えられる」

 ――新制度導入で再生エネルギーの普及に弾みがつくのは間違いない。

 「普及は、価格設定に左右される。太陽光と風力はデータに基づいた議論ができる。ただバイオマス(生物資源)は食品廃棄物や木材など種類が多く、データが集まるかが心配だ」

 ――日本に先駆けて全量買い取りを導入したドイツやスペインでは過大な国民負担などから制度見直しを進めている。

 「欧州と日本では事情が異なる。日本は再生エネルギーの導入が大幅に遅れている。むしろ制度導入で投資バブルが起きるなら、東北の復興にも役立つのではないか」

http://www.nikkei.com/news/interview/genre/article/g=9695... .

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さて、昨日の朝の7時から第二回の調達価格等算定委員会がひらかれたが、
ここで、ひつこいぐらいに、一般家庭用は余剰のみの買い取りで有り、今回
の全量買い取りの対象外であるという事が事務局からアナウンスされていた。

このメールを読んでいる既設設置者の利益のは関係ないというか、むしろ逆
に、48円買取り時以来、今後はここで大儲けする大規模事業者のものと纏
めて請求されるサーチャージ会計に合算されるので大きな国民負担を強いた
側と見られるという事になる。

つまり、この新制度導入で、さらに格差が拡大すると言う事だ。国の家庭用
太陽光発電モニター事業の初年度設置者でkw価格180万円で、半額90
万円の補助金を受けて(これは国民皆さんの負担分だ)、発電原価140円の
電力が一昨年までの15年位を20円/kWhで評価され、一昨年の11月か
らは余剰のみ48円で(それでも1kwhあたり102円も足りない)電力企
業を通じて社会に供給してる私には、力が全身から抜けて行くような話であ
る。

さて、委員長が言う「日本で普及が遅れた理由」は、RPSにして個人の設
置者を含めて徹底的に買い叩いてきたからである。それでも、此れまでの間、
それでも、みみっちい補助金にすがりながらでも設備投資してきた人たちが
いたから、国内既設350万kWの太陽光発電設備が系統に接続されて昼間
のピーク電力を担ってきたのである。勿論、自家消費分も含めて系統に繋がっ
てると言う事はその全量が社会的に評価されるべきであるのが誰が考えても
当然のことだと思うのだが・・・。

※「余剰電力の購入が素晴らしい。全量買い取りは汚い電気と混じるから」
というとんでも暴言を吐いて多くの設置者に経済的不利益を齎したT氏は
これについてどう思われているのだろうか? ざっと計算するだけで48円
の買い取りで見ても 自家消費分としてカウントされ無い為に、日本全体で
総額年間875億円ほどの経済的付加価値が失われてると言う計算になる。
これは正しく生み出されたきれいな電力という付加価値として社会的経済
評価を受けて個人を通して地域社会経済に還元されるべきもので有ったの
だが、この富は永遠に失われてしまったし、これからも制度が改正されね
ば今後もずっと失われ続け、さらには増えて行くのである。一方、全量買
い取りの対象となる大規模発電事業者には富が転がり組むのである。勿論、
屋根できれいな電気が足りなくて、汚い電気をつかってる個人発電事業者
はその汚い電気に上乗せされてこの大規模発電事業者にサーチャージを支
払うのである。

T氏が個人的に不利益を受けるのは何ら構わないが、私たちが失う所得は誰も
保証などしてくれる訳ではないのである。これは結局、未来の世代に、負債と
して残されていくという事なのだともいえる。 正しいものの考え方で制度を
作らなかったという事も含めて、私たちの社会が失った富は大きい。

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