赤字国債を発行してまで出す補助金に内在する問題とは・・・
  (所謂、有効需要の創出ケインズ政策の在り方について・・・)

本来、社会的に負担されている費用がまるで見えなくなってしまう点にあり
ます。そして、それが、時間的に先送りされることで金利がついてさらに未
来に負債を負わせることになるのです。換言すれば、これは、現在から未来
への搾取です。

今生きている私たちは未来に生きる者たちを搾取しているとも言えます。こ
んな不公正があって良いのかどうかです。同時代の不公正を補助金で何とか
しのぎ国民への借金で問題を先送りしているのです。

でも、これは国民経済的にみて実現される富を貶めてしまいます。つまり、
社会の中で実現される価値が実現されないままで見過ごされてしまうのです。
100万円の価値のあるものが何と補助金分だけ無くなってしまうのです。
これは大きな社会的損失です。 また、これによって先送りされた借金が未来
の可能性を奪うのです。

では、この未来への借財が生産財に投資されるなら問題はないと言えるので
しょうか?確かに生産財としてそれはエネルギーなどを社会に供給してくれ
はしますが、生み出されたものの価値が正しく評価されないためにその投資
が生み出した価値が正しく社会を支えられないのです。

設備投資に60万円掛かかる太陽光発電で生み出される電力、年間1000
kwhの発電原価は1Kwhは本来45円程度です。それが補助金などで設
置時費用に20万円程度上乗せされるとこの電力の生産者は1Kwhに25円
程度が支払われるだけで金利分が回収できなくても環境に良いことだから致
し方ないとしてしまいがちです。

本来なら45円分の交換価値が生み出され得たのに25円分しか私たちの社
会は付加価値を生み出し得なかったのです。1年間で2万円、それが20年
間に亘ってですから40万円分の私たちの生きる経済社会の中で流通する付
加価値を失うことになってしまうのです。 勿体ない話です。

これを補助金でなく発電原価を保証する成果評価で支援するなら、私たちの
社会は正しく生み出される電力を借金の代償としてではなく付加価値として
成果を受け取ることができるのです。これは未来を蔑ろにするものではあり
ません。私たちが正しく社会に生み出される価値を正しい負担の仕方で支え
るという事を決めるだけのごく普通の覚悟をするだけの事なのです。

其れによって、私たちは自分たちの社会のあるべき未来=私たちが祖先から
引き継ぎ、未来へと引き継ぎ得る価値ある社会を手に入れられることでしょ
う。

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