全国的に冬型の気圧配置でかなり、荒れた天気ですが、ここ宮崎は雲が風
に乗ってかなりの速度で西から東へと流れて行きます。自宅の上の199
5年2月稼働で一昨年9月から昨年2月までインバーターが壊れて動かな
かった太陽光発電も今年は元気に動いて、CO2も放射性廃棄物も生まな
い、太陽の恵みである光を電気に変えて日本の社会に供給しています。

太陽光発電によって生み出された電力とは・・・。

1、稼働期間中はCO2を一切排出しない電力を生産した

これは、直接的に数値として見える価値で、年間5500Kwh以上の電
力を生産し、CO2電力換算係数の「約690g-CO2/kWh」で計算すると、3
795Kg(年間)で14年なので53000Kg程度のCO2を出さな
かった事になる訳です。これが、直接的な効果。

そして、社会的な経済効果は

1、設備購入によってその設備を生産した企業に資金を提供し、さらに設
備投資や機器の開発に使われる資金を提供した

つまり、化石燃料を一方的に地球から収奪して電気という便利なエネルギー
を使って捨てるだけの仕組みから、持続可能な自然エネルギーが導入され
る為の資本の本源的蓄積?に貢献していると言う事なんだろうけど、これ
は、正しく評価されてません。

これを正しく経済的に評価する仕組みが作られれば、現行の資本主義的な
生産様式のお金の流れでも太陽エネルギーを人間の社会に導入する装置を
形にすることが出来るでしょう。そして、それによって、私たちは実際に
この日の元の国で太陽の光から生み出された電力を導入できるようになる
でしょう。

さて、この問題を見えにくくしてしまったのが、所謂「補助金」でした。

この「補助金」は、同じ土俵では競争力がない電力としての価値に下駄を
履かせるというもので、よくつかわれる手法で即効性があるように見えま
す。が、本来、見落としてしまってはならない問題点が見えなくなってし
まいました。

太陽光発電設置者の電力価値を見掛け上、既存の電力購入価値と同じよう
にするために設置時補助金は出されました。私はこれは間違った仕組みだっ
たと思います。

この補助金で設置者は自分が出したお金だけを計算の根拠にしてしまうの
です。しかし、補助金の分も社会的な費用としては掛っているのですから、
これは税金だからといって決して無視して良いものではあってはならない
ものです。なのに、人々は自分たちだけが負担少なく出来れば良いとこの
仕組みにはそう異論を出さなかったのです。ここにモラルハザードを感じ
ます。

結果、何が起こったでしょうか?

太陽光発電装置の市場は国内にきちんと出来上がりませんでした。補助金
の総額で決まるマーケットサイズ、そして、その金額が少ないと其の為の
予算すら余ってしまう非合理的な支援制度の復活です。

そして、電力価値と環境価値に切り分けられた価値のうちの本来なら市場
で取引されるべきではない価値である環境価値が本来なら市場でこそ価格
付けされねばならない電力価値以上に買い叩かれる仕組みへと追い込まれ
て行っているのは皆さん良くおわかりの日本の現実です。

本来なら、過去の失敗を検証し繰り返さないことこそが必要な事です。し
かるに、今回、マスコミなどではこの補助金の復活を持て囃す様な記事が
散見されるのです。まあ、こうしたマスコミの程度の低さも呆れるぐらい
のものですが、こうしたことをきちんと見るべきNGO・NPOすらがこ
の政府の間違った後ろ向き行動に迎合するのですから目も当てられません。

何が問題でどう変えるべきなのかを正しく検証すべきNGO・NPOがそ
うした活動が行えていないのです。政策は官僚が作ってくれるもので、作っ
てくれないから出来ないと言うだけではそれは変わる事は無いでしょう。

変わらないその理由は、自らが生み出している価値を買い叩かれているこ
とに異議を申し立てないからではないかと思うのです。

私たちが社会供給している価値のあるエネルギーが、そうでないものと同
じで良いだろうと言う風に価値を貶める仕組みに対して違う仕組みをこそ
作り上げる運動を展開するべきではないかと思います。

私たちがするべき仕事とは、社会の資金の流れを再生可能なエネルギーの
変換装置に効率的に固定化させることです。そして、そこから生み出され
るエネルギーを基礎に置いた持続可能な社会の経済システムへと変えて行
くことでしょう。


当家の「ひむか2号くん」の今日の状況

冷たい風が吹きパネルは冷やされ雲の反射光も入るので、発電量は最高に
良い状態でした。何と21Kwhとこの時期にしてはかなりの良いもので
した。(先月は475Kwh で、残念ながら500Kwhを超えません
でした。それにしても価値のあるものを価値のないものとしてしまう市場
の神話・・・。恐らく、これは間違った市場の使い方なのですけどね)


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