2008年の最後になってこういう嫌な話が出てきました。

それにしても、将来にわたって不良資産化する原子力への異常ともいえる
傾斜は、経産省支配の官僚制国家のなせる技なんでしょうか・・・。

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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/68525

九電、第3の原発検討 熊本、宮崎が有力 2030年稼動目標 長期計画記
載へ 2008年12月30日 18:14 カテゴリー:社会 経済

 九州電力(福岡市)が玄海(佐賀県玄海町)、川内(鹿児島県薩摩川内市)
に次ぐ3カ所目の原子力発電所建設の具体的な検討に入ることが29日、分かっ
た。候補地点は現時点では白紙だが、熊本県や宮崎県などが有力。今後2―3
年で絞り込み、2030年ごろの運転開始を目指す。九電の原発新規立地は1
992年に宮崎県串間市で構想が浮上したが、地元の反発などで断念した経緯
があり、今回も候補地選定作業の過程で大きな議論を呼びそうだ。

 原発の新規立地検討は、今後20―30年の経営の方向性を示すために来年
3月をめどに策定する「長期経営ビジョン」に盛り込む。実現すると、九電の
原発新規立地は84年に運転開始した川内原発1号機(加圧水型軽水炉、出力
89万キロワット)以来になる。

 全国では中部電力が、運転開始から30年以上経過し、トラブルなどで長期
運転停止中の浜岡原発1、2号機を廃炉にし、新機を建設する建て替え(リプ
レース)計画を発表したばかり。

 九電の玄海原発1号機(同55.9万キロワット)も運転開始から33年、
同2号機(同)も27年が過ぎ、老朽化対策を施しても2035―40年には
耐用年数が切れる。しかし、玄海原発内には、敷地に建て替えの余裕がなく、
別の場所での新規立地を目指すことにした。

 九電は出力150万キロワット級の川内原発3号機の増設に向けて環境調査
を実施。09年1月に地元へ正式に増設の申し入れをし、10年代後半の運転
開始を目指している。その時点で同社の発電電力量に占める原子力の比率は当
面の目標である約50%に上昇。早めに玄海1、2号機に代わる新規立地を実
現し、原子力比率の維持・向上を図る。

 建設候補地は、原発が大量の冷却水を必要とすることから玄海や川内同様に
海岸線があり、地震にも強い固い地盤であることが条件。現段階では熊本県か
宮崎県内を有力視しているもようだ。

■住民に説明 不安解消を 玄海原発老朽化で決断   

 【解説】九州電力が玄海、川内に次ぐ第3の原子力発電所立地の具体的な検
討に入る背景には、安定電源の確保とともに、地球温暖化対策の一環で石炭や
原油に比べ二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しない原発の推進が急務、と
の判断がある。原発の新規立地には、九電が一般住民の根強い不安をいかにぬ
ぐい去れるかが鍵になる。

 九電を取り巻く資源情勢をみると、化石燃料の確保は今後、新興国の経済成
長などに伴い難しくなることが予想される。一方で、1975年に運転開始し
た玄海原発1号機が約60年の寿命まで既に折り返しを過ぎ、計画から運転開
始まで30年近くかかるとされる新規立地へ「残された時間は少ない」(九電
幹部)と判断した。

 92年に浮上した宮崎県串間市への原発新規立地構想が事実上頓挫したのは、
86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故から時間がたっておらず、地元住民
の間に原発への不安が渦巻いていたためとみられる。その後、九電の原発では
大きなトラブルもなく、稼働率も2007年まで6年連続で80%超になるな
ど安定しており、九電は原発新規立地について、当時に比べて住民の理解を得
やすいとみている。

 ただ、ほかの電力会社の原発トラブルや耐震問題で、原発に依然厳しい視線
が注がれているのも事実。原発増設とセットで立地されるべき使用済み核燃料
を再処理するまでに一時的に保管する「中間貯蔵施設」や、放射性廃棄物を処
分する「最終処分場」も、建設のめどが立っていない。

 急速に人口減少が進む九州では今後電力需要は伸び悩むとの見方もある中で、
原発の新規立地がなぜ必要なのか、九電には丁寧な説明が求められる。(経済
部・曽山茂志)

=2008/12/30付 西日本新聞朝刊=

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この記者の言うとおり、住民の不安解消のために丁寧な説明がなされれば
それで良いのかどうか・・・。甚だ疑問だ。

そもそも、今後の電力供給体制が地域独占の大規模電源優先の電力企業に
任せたままで良いのかどうか、そして、その電源のオプションとして将来
も融通の利かない原発が良いのかどうかなども検討されるべき話でしょう。

つまり、電力自由化とか分散型電源を組み合わせて社会全体のエネルギー
供給は考えられるべきもので、こうした大規模電源を導入してしまえば、
その管理のためだけに大規模な垂直統合型の電力企業が必要だと言う論理
展開がなされてしまうことでしょう。

ということで、この最後のセンテンスのまとめ方で読者を誘導するのは如
何なものかと思われます。これって、微妙に意図的なリーク記事なのかも
しれませんね・・・。

来年が、明るい未来へ開ける年になってほしいものですし、私たちもそう
した思いが形になる様に運動を進めて行きたいものです。真のあるべき社
会を構想する力を養いましょう。

では、皆様にとって来年が良き年で有ります様に・・・。

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